9.ボラティリティーの活用
■ ボラティリティのおさらい
1.ヒストリカル・ボラティリティ
2.インプライド・ボラティリティ
インプライド・ボラティリティ(IV) |
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過去の原資産価格の変動から計算されるHVに対して、IVは実際に市場で取引されているオプション価格(プレミアム)から計算されるボラティリティ。
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■ 実際の取引にどう役立つか?
さて、ここまでボラティリティについて説明してきたけど、実際トレーダーにとっては、仕組みよりもどうやってトレードに役立てるかということの方が大事だ。
たしかに。 机上の空論じゃ意味ないし。
うん。 インプライド・ボラティリティ(IV)の数値は、オプションの分析ツールなどを使えば一瞬で分かるからね。
実際にオプション売買を行う際には、IVのトレンドに注目するんだ。
実際にオプション売買を行う際には、IVのトレンドに注目するんだ。
ボラティリティにもトレンドがあるんだね。
そうだよ。
そして、オプションのIVには次のような特徴がある。
そして、オプションのIVには次のような特徴がある。
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オプションによって、IVの変動幅はおおよそ決まっている。
(周期的な上下変動) - 原資産価格が大きく変動した時は、その変動幅を抜けてIVが上昇することもある。(相場のパニックや熱狂)
- IVやHVが相対的に低い位置にあるとき、その後原資産の価格が大きな動きをみせる可能性が高い。(過去の統計データより)
オプションのプレミアム | ボラティリティの今後の動き | 有利・不利 | |
---|---|---|---|
オプションのIVが高い水準にある | 高価格 |
下落する可能性が高い | オプションの売り手にとって有利、買い手にとって不利な状況。 |
オプションのIVが低い水準にある | 低価格 |
上昇する可能性が高い | オプションの買い手にとって有利、 売り手にとって不利な状況。 |
なるほど。
ボラティリティが高い水準にあるときは、オプションのプレミアムは高い値段がついていて、しかも以降はボラティリティの低下が予想されるから、プレミアムがどんどん落ちていくと…。
確かに、売り手に有利な状況だね。
ボラティリティが高い水準にあるときは、オプションのプレミアムは高い値段がついていて、しかも以降はボラティリティの低下が予想されるから、プレミアムがどんどん落ちていくと…。
確かに、売り手に有利な状況だね。
反対に、ボラティリティが低い水準にあるときは、オプションのプレミアムが低く、しかも以降はボラティリティの上昇や原資産価格の変動が期待できるから、プレミアムの上昇が期待できる。
これは買い手に有利だね。
これは買い手に有利だね。
気をつけなくちゃいけないのは、ボラティリティが高いとか低いとか言う場合には、そのオプションの現時点のIVを、過去のIVと比較しているということだよ。
たとえば、過去のIVが上の図のようになっているオプションであれば、IVが10%付近なら買い手に有利、30%付近なら売り手にとって有利な状況と言える。
また、IVはオプションの価格(プレミアム)と直接関係しているから、トレーダーは割高なオプションを買うべきでないし、割安なオプションを売るべきではないということが判断できる。
たとえば、過去のIVが上の図のようになっているオプションであれば、IVが10%付近なら買い手に有利、30%付近なら売り手にとって有利な状況と言える。
また、IVはオプションの価格(プレミアム)と直接関係しているから、トレーダーは割高なオプションを買うべきでないし、割安なオプションを売るべきではないということが判断できる。
実際の取引では、そのオプションの過去のIV(およびHV)のチャートを確認し、現時点のボラティリティと比べて高低を判断する。
また、現在ボラティリティが上昇トレンドにあるか下降トレンドにあるか、といったことも考慮して取引を行うのが理想。
■ 権利行使価格や満期が異なると、ボラティリティも異なる
ここでもう一度、日経225オプションの取引画面を見てほしい。
オプションの権利行使価格によって、IVが異なっていることが分かるだろう。
オプションの権利行使価格によって、IVが異なっていることが分かるだろう。
言われてみれば。 18%から22%くらいの間でまちまちだね。
IVは市場で取引される「プレミアム」で決まることを思い出してほしい。
同じ原資産のオプションでも、買い手が多い限月・権利行使価格のオプションは値段が上がるし、売り手が多い限月・権利行使価格のオプションは値段が下がる。
同じ原資産のオプションでも、買い手が多い限月・権利行使価格のオプションは値段が上がるし、売り手が多い限月・権利行使価格のオプションは値段が下がる。
インプライド・ボラティリティ(IV) |
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プレミアムは市場において買い手と売り手の合意によって決定する。
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つまり、インプライド・ボラティリティを見ることによって、オプションが相対的に高いか安いかということが判断できるというわけなんだ。
なるほど。
原資産が同じオプションでも、権利行使価格や満期の違いによって、オプションが割高だったり割安だったりするわけだね。
それを判断するために、インプライド・ボラティリティを見れば分かるってことか。
原資産が同じオプションでも、権利行使価格や満期の違いによって、オプションが割高だったり割安だったりするわけだね。
それを判断するために、インプライド・ボラティリティを見れば分かるってことか。
特に、原資産価格が大きく動いた後などは、アット・ザ・マネー付近のオプションに比べて、アウト・オブ・ザ・マネーのIVが極端に高くなることがある。
こういうときに、ボラティリティの不均衡を利用して売買を行うことで、非常に有利な取引ができる場合があるよ。(※)
こういうときに、ボラティリティの不均衡を利用して売買を行うことで、非常に有利な取引ができる場合があるよ。(※)
※
アット・ザ・マネー付近のオプションを買い、アウト・オブ・ザ・マネーのオプションを売るなどの戦略。 このように、オプションの買いや売りを組み合わせた戦略のことをスプレッドと呼ぶ。
なるべく売買に有利な状況を見つけるようにすれば、オプショントレードで利益を上げられる可能性が高くなるってことだね。
むずかしそうだけど、バーゲンセールを探すときみたいでちょっと面白いかもっ!
むずかしそうだけど、バーゲンセールを探すときみたいでちょっと面白いかもっ!
そんな感覚だね。
オプションの売買戦略はいろいろあるけど、取引の時点で有利なポジションに立つには、ボラティリティの不均衡を利用するという考え方が基本になってくるよ。
やり方によっては、取引を行った時点で相当有利なポジションを確保できるということが、オプショントレードの魅力といっていいかもしれない。
以上で、ボラティリティについては終わりだ。
オプショントレードの基本となる考え方だから、しっかり覚えておこう!
オプションの売買戦略はいろいろあるけど、取引の時点で有利なポジションに立つには、ボラティリティの不均衡を利用するという考え方が基本になってくるよ。
やり方によっては、取引を行った時点で相当有利なポジションを確保できるということが、オプショントレードの魅力といっていいかもしれない。
以上で、ボラティリティについては終わりだ。
オプショントレードの基本となる考え方だから、しっかり覚えておこう!
はーい。 了解。
- 1.オプション取引の利点
- 2.オプションの基本
- 3.コール・オプション
- 4.プット・オプション
- 5.損益のまとめ
- 6.時間価値と本質的価値
- 7.カバード・オプション
- 8.ボラティリティとは?
- 9.ボラティリティの活用
- 10.株の保険1
- 11.株の保険2
- 12.投機としての買い
- 13.売りで利益を得る
- 14.売りの損失を限定する
- 15.ギリシャ指標(デルタ、ガンマ、ベガ、セータ)
- 16.デルタの活用
- 17.オプション取引入門 まとめ