大阪取引所 新商品の取引は低調なスタートに

日本取引所グループ傘下の大阪取引所は、次期デリバティブ売買システム(次期J-GATE)を先月19日に稼働しました。それと同時に、オプションの新商品を含む4つのデリバティブ商品が導入されましたが、売買は低水準にとどまっています。

「JPX日経インデックス400オプション」は、8月5日のナイト・セッション終了時点で、プットとコールの取組高がそれぞれ50枚(ともに9月限)となっており、それ以外の限月では建玉がありません。「FTSE中国50先物」は現時点で取組高がなく、「台湾加権指数先物」は合計2枚の取組高にとどまっています。

「東証マザーズ指数先物」は、4つの新商品の中では比較的活発な取引が行われており、8月5日のナイト・セッション終了時点で3,098枚の取組高があります(9月限と12月限の合計)。しかし、東証マザーズのポートフォリオをヘッジするための先物としては、まだ十分な流動性があるとは言えません。

先月29日には、日銀政策決定会合の結果に市場の注目が集まりましたが、こうしたイベントに対するトレードやヘッジの対象として、デリバティブの新商品が利用されることはありませんでした。むしろ、大きなイベントの前後には、日経225先物・オプションやTOPIX先物など、より流動性の高い商品に取引が集中する傾向があります。

流動性は、デリバティブ市場の参加者が最も重視する要素です。流動性の低い商品は投資家に利用されず、いつまでも流動性が低いままであるというケースが多いです。反対に、流動性の高い商品には多くの注文が集まり、さらに流動性が高まるというのも事実です。「次期J-GATE」の新商品は、果たして好循環の波に乗れるでしょうか?

参照: JPX日経インデックス400オプション価格情報
先物価格情報