CMEグループの通貨先物オプション 権利行使タイプを変更へ
米国最大の先物・オプション取引所を運営する「CMEグループ」は今月、主要な通貨を対象とする先物オプションの取引で、権利行使の方法を「アメリカン」から「ヨーロピアン」に変更する方針を発表しました。(用語:アメリカンとヨーロピアンの違いとは?)
対象となる取引は、ユーロ/米ドル、日本円/米ドル、英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル、カナダドル/米ドルおよびスイスフラン/米ドルの各先物に対するオプション取引です。
現行のアメリカン・タイプの先物オプションは、シリアル物(連続限月)は2016年11月限まで、四半期物は2017年6月限までとし、それ以降の限月ではヨーロピアン・タイプのオプションのみが上場されます。
CMEグループでは、E-mini S&P 500 Weeklyやブレント原油などで、すでにヨーロピアン・タイプのオプションが取引されています。しかし、主要なオプション市場でアメリカン・タイプが廃止され、すべてヨーロピアン・タイプに変更されるといった試みは、過去には例がありません。
ヨーロピアン・タイプのオプションは満期前に権利行使されることがなく、オプションの売り建玉を保有する市場参加者にとってはリスク管理が容易になるという利点があります。原資産のポジションに煩わされることなく、純粋にオプションのみを取引したいと望む投資家は、こうした特徴からヨーロピアン・タイプを好む傾向があります。
米国の先物オプション市場では、今後も株価指数や金利などの金融先物市場を中心に、ヨーロピアン・タイプの権利行使が増えていくかもしれません。