ラッセル2000オプションをベースとする指数の研究報告

シカゴ・オプション取引所(CBOE)は今月、ラッセル2000オプションで構成されるベンチマーク指数についての研究報告を行いました。

研究の対象となったのは、次の6つの指数です。

  1. ラッセル2000 BuyWrite指数(BXR
  2. ラッセル2000 Zero-Cost Put Spread Collar指数(CLLR
  3. ラッセル2000 Conditional BuyWrite指数(BXRC
  4. ラッセル2000 30-Delta BuyWrite指数(BXRD
  5. ラッセル2000 PutWrite指数(PUTR
  6. ラッセル2000 One-Week PutWrite指数(WPTR

ラッセル2000オプションの売買戦略(スプレッド)で構成される上記の指数は、原資産のラッセル2000指数と比較して、次のような優位性があることが調査によって明らかになりました。

  • 高いリスク調整済みリターン
    2001年以降、PUTRはラッセル2000指数よりも高いリターン、低いボラティリティ、そして高いシャープ・レシオ(リスク調整後のリターン)を記録した。
  • 低いボラティリティとベータ
    2001年以降、4つの指数(PUTR, BXR, CLLR, BXRD)はラッセル2000指数よりも14%から20%低い年間標準偏差を持ち、低いベータ(市場平均に対する感応度)を示した。
  • 割高なプレミアム
    2004年以降、ラッセル2000オプションのインプライド・ボラティリティ(IV)は、実際のボラティリティ(HV)よりも平均で2.88ポイント高くなっていた。 この要因により、オプションの売り戦略(PUTR, BXRDなど)のリターンが増えていた。
  • 週次取引(Weekly)の売り戦略は、年間ではより多くのプレミアムを得られた
    2015年のトータルでは、WPTRは原資産比で41.4%のプレミアムを得られた。 これに対し、PUTRは同22.2%、BXRは同19.5%、BXRDは同9.2%となり、週次取引を利用した戦略の方が、年間のトータルではより多くのプレミアムを得られるという結果に。(ただし、この調査は2015年のみ)
参照: CBOEニュース