ゴールドマン、株式オプション取引での不正が判明
米証券取引委員会(SEC)から証券詐欺容疑で提訴されているゴールドマン・サックスは、オプション取引でも不正を行っていたことが明らかになりました。
ゴールドマンはまず、証券会社「ベアー・スターンズ」の子会社に対して、後に価値が大幅に下落する可能性の高い債務担保証券(CDO)を販売。 それと同時に、ベアー株のプット・オプションを購入し、同社の破綻に伴なう株価暴落から多額の利益が得られるポジションを作りました。
(オプションの仕組みについてはオプション取引入門をご覧下さい。)
単純に言うと、ゴールドマンはゴミだとわかっている物を顧客の証券会社に対して「宝物」だと言って売りつけ、その会社が破綻することに賭けていたということです。
この件についてウォール・ストリート・ジャーナル日本版は、「顧客(証券会社)の利害に反する取引」と書いていますが、それよりもインサイダー取引について指摘すべきだと思います。
ゴールドマンが未発表の情報(CDOがゴミであること)を利用してベアー株のプット・オプションを買ったなら、それは完全なインサイダー取引であり犯罪です。
仮にこのような取引が市場を通じて行われたとすれば、一般の投資家が大きな被害を受けたことになります。 ゴールドマンがベアー株のプット・オプションを大量に購入したことにより、オプション価格は上昇。 システム・トレードなどを行っている投資家は、高値のプットを売り建てた可能性もあるでしょう。
こうした損害は補償されるのか? 明らかに異常な取引が行われていたにも関わらず、当時はなぜSECの捜査対象にならなかったのか?
一般の投資家が十分に納得できるような説明が必要だと考えます。