2008年 - 米国の証券オプション市場の取引状況
- 2008年、米国の証券オプションは過去最高の取引高を記録
2008年に米国の証券市場で取引されたオプションは、合計で約35億8,200万枚に達し、過去最高の取引高を記録しました。 2007年に比べると、25%増となっています。
一日平均では約1,416万枚の取引高がありました。
- 種類別の取引高
・株券・ETFオプション 32億8,474万9,600枚(一日平均 1,298万枚)
・株価指数オプション 2億9,613万6,500枚(一日平均 117万枚)
それぞれ過去最高の取引高を記録しました。
- 11月以降は急速に取引高が減少
10月の株式市場は歴史的な大暴落となり、米国のボラティリティ指数(VIX)は80以上まで上昇。 パニック的な状況の中で、ヘッジ目的のオプション取引が急増し、10月の米国の証券オプション市場では過去最高の月間取引高を記録しました。
しかし、11月以降は状況が一変。 市場からの資金流出に伴い、11月のオプション取引高は前年同月比13%減、12月は15%減となりました。 米国では5年以上に渡ってオプション市場の拡大が続いていましたが、金融危機によって転機が訪れています。
- ETFオプション市場が活況
オプション市場の取引高が減少に転じる中で、ETFオプションの取引高は増加傾向を保っています。 ファンド勢が相次いで市場から撤退する一方で、市場の値ごろ感に目を付け、オプションを利用して利益を得ようとする個人投資家が存在感を増しています。
- 2009年の展望
世界的な経済危機が深刻さを増す中で、金融市場からのマネー流出が続いています。もちろん、オプション市場も例外ではありません。
過剰なレバレッジで取引を行っていたヘッジファンドなどは、昨年の暴落によって相次いで市場から撤退しました。 今後も証券市場では取引の低迷が当面続き、相場のボラティリティも収束に向かうことが予想されます。
しかし、このような状況でもチャンスを見いだし、市場から利益を上げるオプショントレーダーも多く存在します。 すでに安値水準の市場に目を付け、ETFオプションを売買している個人投資家などはその好例といえます。
日本のオプション市場では、東証が今年7月にオプション取引の新システム「Tedex」を稼動させる予定です。 逆風の中でのスタートになりますが、これまで大証に一極集中していた日本のオプション市場において、今年は変化の年になるかもしれません。