2007年 - 米国の証券オプション市場の取引状況
- 2007年、米国オプションは過去最高の取引高を記録
2007年に米国の証券市場で取引されたオプションは、合計で28億6,282万6,218枚に上り、前年比41%の増加となり過去最高を記録しました。
一日平均では約1,140万枚の取引高となり、初めて一千万枚の大台に乗りました。
- 種類別の取引高
・株券オプション 15億2,699万1,628枚(一日平均 608万枚)
・株価指数およびETFオプション 13億3,583万4,590枚(一日平均 532万枚)
それぞれ過去最高の取引高となりました。
- 特に取引高が多かった市場
前年に比べて取引が大幅に増加した株価指数オプション、およびETFオプションは次の通りです。
・S&P 500オプション(SPX) → 1億5,808万4,691枚 (52%増)
・Russell 2000オプション(RUT) → 812万2,116枚 (277%増)
・CBOEボラティリティ指数オプション(VIX) → 2,338万8,366枚 (363%増)
・S&P 500連動型ETFオプション(SPY) → 4,919万5,190枚 (104%増)
・Nasdaq 100連動型ETFオプション(QQQQ) → 4,321万5,491枚 (32%増)
・Russell 2000連動型ETFオプション(IWM) → 7,580万1,621枚 (69%増)
(参考)大証 日経225オプション → 2,918万1,438枚 (前年比3.4%増)
いずれも過去最高の取引高を記録しています。
- 取引所別シェア
取引所別のオプション取引高では、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が全体の33%、インターナショナル取引所(ISE)が28%の取引を占めており、この二つの取引所で全体の6割以上のシェアを取っています。
次に取引が多いのはフィラデルフィア証券取引所(PHLX)で、約13%のシェアがあります。 その他、NYSE Arca(旧PCX)、アメリカン証券取引所(AMEX)、ボストン・オプション取引所(BOX)が残りのシェアを分け合う形となっています。
- 2008年の展望
サブプライム問題による金融不安、景気後退懸念、資源高、インフレ、ドル安など、米国経済はかつてないほどのリスクを抱えています。
そんな中、オプションを利用したヘッジ取引の重要性はますます高まっていると言えるでしょう。 昨年、サブプライム問題によってドルと株価が急落した際には、市場の恐怖心を反映するVIX指数のオプション取引が急増しました。 7月には、Nasdaq 100指数とRussell 2000指数をベースとするボラティリティ指数の取引が新たにスタートし、オプションによるヘッジ取引の選択肢が広がりました。
それは同時に、マーケットの下落局面で利益を得るチャンスが増えたことも意味します。
市場の不確実性が高まるほどヘッジ取引が増え、一部のオプショントレーダーは大きな利益機会を手にするでしょう。 2008年の米国の証券オプション市場は、昨年と同等、または昨年以上に活発なマーケットになりそうです。